研究は以下のステップで進みますが、常に前進するわけではなく、一進一退の連続です。
トップ国際会議における研究動向をもとに、世界最先端のテーマが与えられます。
経験を積めば、学術的価値のあるテーマを自分で発見できることもあります。
ある学生は、研究室配属後の最初のミーティングで、先生からある論文を手渡され、それに興味を持ちました。
トップ国際会議・学術誌の英文論文を、整理・比較し、考察します。
疑問や改良点を見つけるまで続けます。
手渡された論文を手掛かりに、関連する論文を手あたり次第に読みました。そのうちに、ある論文で提案されている通信プロトコルに独自の改良を加えて、特殊なネットワーク機器の上で実行すると、通信が10倍ほど速くなることに気づきました。
例えば、実際のマシン上で実装・評価をしたり、紙の上でアルゴリズムやプロトコルを考えたり、数式や証明を書いたりします。
毎週のミーティングで、進捗と今後の方針を先生方と確認します。
特殊なネットワーク機器を特殊な言語でプログラミングして、自分の思いついた手法を実装しました。
実際にプログラムを動かして実験してみると、予想通りの結果が得られました。
ISPのデータセンターで使われるような最先端の機材の上で、機器特有のさまざまな制約を乗り越えて書き上げた渾身のプログラムが、Tbps(一般家庭の通信速度の約1万-10万倍)という超高速で動作したときには、言葉では言い表せない感動があります。
英語または日本語で原稿を書きます。
先生方による添削を受ける機会があります。
国際会議に論文を投稿するために、先生方と一緒に論文を執筆しました。
執筆中に自分の手法に脆弱性を見つけたので、「実行」のステップに戻って設計と実装をやり直したあとで、ついに論文を完成させました。すばらしい論文に見えます。
国際会議、学術誌、または研究会に、もしくは学位論文として論文を投稿します。
査読の結果、不採択になっても挫けません。
完成した論文をある国際会議に投稿しましたが、査読の結果、リジェクト(不採択)されてしまいました。先生方に励まされながら追加の実験と論文の修正を行い、別の国際会議に再投稿すると、今度はアクセプト(採択)となりました。
国際会議や国内研究会、学位論文発表会などで自分の研究について発表します。
ほかの研究者からフィードバックを受けます。
国際会議(この時はコロナウイルス蔓延のためオンラインでした; 今後は海外に行けます)と国内研究会(@福岡、広島)に参加して、自分の研究について発表しました。研究会では学会賞を受賞し、奨励講演の依頼も受けました。福岡で先生にご馳走になったもつ鍋が美味しかったです。
一連のプロセスを通して得た知見をもとに、次のテーマを決めます。
自分の考えた手法を改良し、拡張した論文が学術誌に掲載され、また、全世界の通信事業者の協力を得て世界レベルの実験を行い、受賞しました。
さらに、この手法の中に別の課題を発見したので、それを次の研究テーマとしました(最初に戻る)。